拈華微笑 南無父母不二佛

何でも仏教徒として思いついたことを書きます

2018年9月のブログ記事

  • 花のき村と盗人たち 新美南吉

    一  むかし、花(はな)のき村に、五人組の盗人(ぬすびと)がやって来ました。  それは、若竹(わかたけ)が、あちこちの空(そら)に、かぼそく、ういういしい緑色(みどりいろ)の芽(め)をのばしている初夏(しょか)のひるで、松林(まつばやし)では松蝉(まつぜみ)が、ジイジイジイイと鳴(な)いていました... 続きをみる

  • 牛をつないだ椿の木 新美南吉

           一  山の中の道のかたわらに、椿の若木がありました。牛曳きの利助(りすけ)さんは、それに牛をつなぎました。  人力曳(じんりきひ)きの海蔵(かいぞう)さんも、椿の根本へ人力車(じんりきしゃ)をおきました。人力車は牛ではないから、つないでおかなくってもよかったのです。  そこで、利助さ... 続きをみる

  • ごん狐 新美南吉

    一  これは、私が小さいときに、村の茂平(もへい)というおじいさんからきいたお話です。  むかしは、私たちの村のちかくの、中山(なかやま)というところに小さなお城があって、中山さまというおとのさまが、おられたそうです。  その中山から、少しはなれた山の中に、「ごん狐(ぎつね)」という狐がいました。... 続きをみる