東風吹かば匂ひ起つ梅万葉の須子乃向ひに歌聖おはせり
雲居杣人謹奉寄進島根県益田市高津町柿本神社神巫女中島甬子刀自御中
万葉の風の音する山の端に沖つ波見つ坐しつ歌はづ
まんやうのかぜのおとするやまのはにおきつなみみつましつうたはづ
高角の岩に太敷き建て柱梅の社に鳥の声尋く
たかつののいわにふとしきたてばしらうめのやしろにとりのこゑきく
石見の海沖に辰立つ出雲根し打ち寄せ来たる波よ魂喚べ
いわみのみおきにたつたつゐずもねしうちよせきたるなみよたまよべ
神巫女ら天降りて遊ぶ柿の本歌終ひぬ間に暮るる団欒
かむみこらあもりてあそぶかきのもとうたつひぬまにくるるだんらん
蝉時雨梅が青葉の袖濡らし蝶が干すてふ風の間に々に
せみしぐれうめがあおばのそでぬらしてふがほすてふかぜのまにまに
烏啼き蝉鳴く山の社にて漫ろ身に沁む秋の涼風
からすなきせみなくやまのやしろにてそぞろみにしむあきのすずかぜ
万葉の山の社に参り来て歌の聖に和歌を勤しむ:悦舟女作歌
まんやうのやまのやしろにまいりきてうたのひじりにわかをいそしむ